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「R-HM型軽飛行機」修復完了のお知らせ

2013.05.01

お知らせ

平成25年5月1日

「R-HM型軽飛行機」修復完了のお知らせ

 既に新聞各誌等で報道されておりますとおり、弊社では前身の立川飛行機㈱の技術の流れをくむ新立川航空機㈱が製作した3機のうち現存する2機の修復作業を行っておりましたが、先行して作業を行っていた「R-HM型軽飛行機」の修復が、平成25年4月9日に完了しましたのでお知らせします。
 両機の修復に着手した契機は、昨年12月、69年ぶりに青森県の十和田湖から引き揚げられた立川飛行機㈱製作の「一式双発高等練習機」の視察に青森県立三沢航空科学館を訪ねた際に、同機の雄姿や「立川飛行機㈱」の銘板を目にし、誇れる過去の歴史を再認識したところ、上述の2機が傷んだまま保管されていたことに対し、これらを修復して世に出すことが弊社の使命であるとの考えに至ったことであります。

P1000391修復前 CIMG0281修復途中①(平成25年2月25日)
CIMG0324修復途中②(平成25年3月18日) IMG_5047修復完了

<写真の転用はご遠慮ください>

「R-HM型軽飛行機」は、金属、木材、布を巧みに組み合わせた構造で、設計図はあるものの残された資料が少ない中、作業は試行錯誤の連続でした。オリジナルに近いものに修復するため、木製の機体に貼られた朽ちかけた羽布を一枚一枚丁寧にはがし、どのような材質であるかを検証し、機体への貼り合わせ方や塗装などの仕様をひとつひとつ確認しながら行いました。
 また、今までほとんど扱ったことがない針を使い、羽布をひと針ひと針ミリ単位で縫い合わせ、木製の主翼や機体に貼り、更にドープという特殊な溶剤を10回程度重ね塗りをして張りをつける等大変根気のいる作業でした。
 なお、同機の修復完了に伴い引き続き「R-53型軽飛行機」の修復に着手しておりますが、両機の一般公開について、現段階では未定となっております。

「R-HM型軽飛行機」について
R-HM型軽飛行機はフランス人技師のアンリ・ミニエ氏指導の下1954年(昭和29年)に新立川航空機㈱で製作(機体番号:JA3094)され、同年に試作機の初飛行に成功しました。 当初は「空のジープ」として海外の飛行場が未整備の国に輸出する意向でしたが、操縦が難しい為、量産には至りませんでした。

機体概要
全長5.80m 全幅8.00m 全高2.00m 最高速度150km/h 上昇限度3,000m