Ki-54 2022

一式双発高等練習機
一般公開

ABOUT

icon一式双発高等練習機とは

昭和14年(1939年)3月、陸軍から多目的双発高等練習機の試作指示があり、立川飛行機にとっては初めての双発、全金属製、引込脚の機体を製作。

操縦訓練だけではなく、航法、通信、射撃、写真撮影など、いわゆる機上作業全般に使用される練習機です。エンジンの信頼性が高く機体の耐久性に優れ、また操縦席からの視界がよく、機内も様々な訓練に対応できる広いスペースが確保されているなど使い勝手に優れている傑作機でした。

同機は昭和18年(1943年)に青森県の十和田湖に沈んで以来、今から10年前の平成24年9月に69年ぶりに引き揚げられ、青森県立三沢航空科学館に展示されておりました。
さらに同機は平成28年に(一財)日本航空協会より「重要航空遺産」として認定されました。

一式双発高等練習機

icon一般公開のみどころ

青森県三沢航空科学館に展示されていた一式双発高等練習機を視察した際、機体に残る「立川飛行機株式会社」の銘板を目にし、同機の雄姿やかつて立川飛行場及び立川飛行機を中心として、科学技術の最先端を誇っていた街の歴史を伝えることが弊社の使命であると感じ、令和2年11月に同機を譲受いたしました。

この機体は1943年9月27日、能代の能代飛行場から離陸後、エンジンの故障により十和田湖に不時着水、乗員4名のうち3名が死亡、1名が生還したとされています。
機体が発見された十和田湖の湖底は、年間を通し水温4~5℃と低温かつ淡水のため、機体の腐食は少なく、機体内外には運用時に塗られていた塗色や日の丸の赤色塗装、所属部隊を示すマーク、注意書きなどが残っています。さらに、1342機生産された中の現存する3機の内、唯一日本に残るものであり、国外に保管される他の2機は胴体のみとなっております。

乗員訓練用に設計された同機は日本の航空機開発の歴史を今日に伝えるとともに、塗色をはじめとして使用当時の状態を良く保っており文化財的価値も高く、極めて貴重な航空遺産といわれております。

一般公開イベントは今年で最後を予定しております。
この貴重な機会に当時の技術が残る飛行機を通じて、みなさまにも歴史の一端に触れていただければ幸いです。

一般公開のみどころ1 一般公開のみどころ2